チャイブ
チャイブ(英: Chives、学名: Allium schoenoprasum var. schoenoprasum)は、ヒガンバナ科ネギ属の葉菜または根菜。フランス名はシブレット(仏: Ciboulette)[4]、イタリア名はチポリーナ(伊: Cipollina)、和名ではエゾネギ(蝦夷葱)[5]、別名セイヨウアサツキ(西洋浅葱)ともよばれる。アサツキやネギのなかまのハーブで、デリケートな香りをもち、スープやサラダに使われる。 なお、アサツキ(A. schoenoprasum var. foliosum)はチャイブの変種である。 特徴原産地はユーラシアといわれる[5]。葉は細い円筒形で先がすぼまっている。ラッキョウに似た地下茎を持ち、鱗茎が分球して群生する。 形態的には細い青ネギやアサツキによく似ているが[6]、アサツキが夏になると休眠することに対して、チャイブは冬に地上部は枯れるが休眠はしない。全体に、ほのかにニンニクのような香りがある[6]。2年目以降の5月ごろに、花が咲く[6]。 アサツキと混植すると交雑しやすく、容易に雑種が出来てしまうので注意が必要。繁殖はタネ、または株分けによって行える。 名称![]() 上記の通りセイヨウアサツキ、エゾネギなどの和名がある。 鱗茎が分球し群生するので、特に英語ではchivesと複数形で書かれる。 栽培春に種をまき、初夏にかけて植え付け、盛夏から秋にかけて葉を収穫する[6]。種はポットまきにして育苗する[6]。本葉が3 - 4枚出てきたら、株間を30センチメートル (cm) ほどあけて定植する[6]。植え付け後の2週間後に、軽く追肥を行い、株元に土寄せをする[6]。葉を収穫するときは、草丈が20 cm以上に伸びたときに根元を少し残して切り取るようにする[6]。収穫後もまた葉が伸びてくるので、一年で2、3回収穫できる[6]。 利用主に茎葉を食用にし、ハーブとして利用する。野菜としての旬は4 - 10月といわれ、根元から葉先まで瑞々しく、ハリのあるものが良品とされる[4]。西洋料理では、主に刻んで料理の仕上げの風味づけ、青味に使われる[4]。アサツキに似た姿をしているが、風味はアサツキよりもデリケートである[4]。生のまま刻んでクリームチーズやバターと練り込んで風味づけに使ったり、スモークサーモン、サラダ、スープの浮身に散らす使い方が一般的である[4][5]。卵との相性も良く、オムレツの具や飾りにも使われる[5]。ピンク色の花(ネギ坊主)もエディブルフラワーとして食べることができ、料理に添えて飾ったり、刻んで加えたりして利用する[4][6]。 栄養価は、β-カロテン、カルシウムが豊富である[4][5]。カロテンを豊富に含む緑黄色野菜で、油で炒めてから使うと体内でのカロテン吸収がよい。 ネギやニンニクのような芳香成分(硫化アリル)を多く含むことから、ネギと同じ芳香を持つ。硫化アリルにはビタミンB1と結合して、糖質をエネルギーに変えやすくする作用がある。また薬味として取ると食欲増進効果がある[4][5]。 脚注
参考文献
関連項目 |