松本保典
松本 保典(まつもと やすのり、1960年2月7日[2][5][8] - )は、日本の声優、舞台俳優、ナレーター[9]。千葉県松戸市出身[3][8]。シグマ・セブン所属[10]。 経歴キャリア初期千葉県立薬園台高等学校卒業。元々SF好きだったことから、高校生の頃までは理系一筋だったが、テレビで政治番組を見たことを機に官僚を志し、中央大学法学部政治学科[11]に入学[12]。 大学入学後は「政治に関わる方面に進めたら」と思いつつも、厳しい現実に直面して進路に迷走する学生時代を送っていた[12]。そんな中、映画『サウンド・オブ・ミュージック』を観て感銘を受け。また、下宿先の友人が全員映画好きだったこともあり映画製作者を目指すようになるが、松本の大学卒業時の邦画界は縮小ムードに入っており、制作会社が少なく良いスタッフ募集も無かったことから映画製作者への道は険しく、“何か取っ掛かりがないか”と考えた松本は「まず役者の世界に入り込めば、スタッフにつながるかもしれない」と、劇団に入ることを決意[12]。後日、友人の紹介から「今から応募して間に合うなら」という意識で「劇団がらくた工房(現:劇団すごろく)」の付属養成所に応募し、4期生として入所した[13][12]。 入団後、芝居をするうちに演じることの楽しさを知ったという[12]。初期は就職していたため、会社勤めと劇団通いの二足の草鞋を履く生活を送っていたが、「どちらも腰掛けじゃできない。どちらかに決めてちゃんとやらなきゃいけない」と気付き、覚悟を決めて会社を退職。役者として生きていくことを決意した[12]。なお、入社後すぐに辞めてしまった会社には申し訳なかったとも語っている[12]。 声優として劇団入団当初は声の仕事はあまり縁がなく顔出しの仕事が多かったといい、企業の研修ビデオには「新入社員に見える年齢の人」というオファーから若手だった松本がよく出演したという[12]。 あるアフレコ収録のスタジオ見学に行った際は、事前にリハーサルの素材を渡される近年と異なり、現場にいるキャスト全員でその場で一回だけ作品を観てすぐに録音する姿を見て驚いたという。その現場には野沢雅子、キートン山田をはじめ錚々たるベテランが数多くおり、彼らの姿は松本からは「超人に見えた」と語っている。同作品には松本も一回だけ出演したが、本人曰く「相当ドヘタだったんでしょうね」とのことで、それ以降はしばらく声がかからなかったいう[12]。 その後、何の作品か分からない状態で声の仕事のオーディションを受けることが何度か続き、そんな中、石ノ森章太郎原作のアニメ『マンガ日本経済入門』のオーディションにて「この原稿を、この絵の感じで読んでください」と言われその通りに読んだところ初めて合格。同作が声優がデビュー作となった[12]。 1988年、『超音戦士ボーグマン』の響リョウ、『鎧伝サムライトルーパー』の闇魔将悪奴弥守やOVA『機甲猟兵メロウリンク』のメロウリンク・アリティと同年に放映された3つの作品で主要な役柄を演じたことで声優として人気を集め、以降はアニメ・吹き替え・ナレーションと多くの分野で幅広く活動している。 『サザエさん』では波野ノリスケ、『ドラえもん』では野比のび太の父親である野比のび助と2つの国民的アニメの脇役を演じている[12]。 かつてはぷろだくしょんバオバブに所属していた[1][2][7]。また、緒方賢一主宰の劇団すごろくにて副座長を経て、緒方が引退した後は2代目の座長を務めた。サイト「劇団すごろく」のプロフィールには「2月7日生 19歳」と表記されている。その後、2016年に退団[14]。 特色・人物ヒーローから悪役、コミカルなキャラクターまで幅広い役柄をこなしている[12]。 吹き替えではクリスチャン・スレーターやデヴィッド・アークエット、フランク・ホエーリー、ルーク・ウィルソンなどを担当している。過去には、ライアン・レイノルズやアダム・サンドラー、トニー・レオン、ブラッド・ピット、レスリー・チャンなども担当していた。 速水奨が企画した『Super Stylish Doctors Story(S.S.D.S)』のメンバーのひとり。 妻は同じく声優の佐久間純子(2011年に死別)。妹がいる[15]。 凝り性であり、音楽を聴くにも性能のいいオーディオ機器を集めるなど、お金がかかるという。 学生時代は競輪部のキャプテンを務め、国体出場経験もあったものの、腰を痛めたために退部した。その後、競輪に関して「(再び)乗るとしたら自転車の部品から集めて自分で組み立てたくなりそう」だと語り、うかつに始められないと語ったこともある[13]。 エピソード林原めぐみとは、『スレイヤーズ』シリーズなどで共演し交友がある。ある番組関係で船に乗っていた時に鼻を怪我した松本を、同乗していた林原が(看護師免許を持っていたこともあり)手当てしたことが二人の出会いだといい、林原は松本を「芝居好き、酒好き、子供好き、女房好き」と評している。『スレイヤーズ』シリーズでは、食事バトルを2人のアドリブで演じていたが特に打ち合わせはしていなかったという。 松本の演技について、かつて同じ事務所に所属し同期だった子安武人は「やっさんはね、本当に緻密なボケを飛ばすんですよ。台本が本番前にやっさんに渡ると、凄いんですよね。書き込みでいっぱいなんですよ。ストーリーには関係ないけど邪魔にならない、オリジナルのセリフで!」と評している。 『サザエさん』では、2000年より波野ノリスケ役を担当している。松本は、1978年にフグ田マスオの声優が近石真介から増岡弘に交代したことを知る世代で、当時「マスオさんの声が変わった」と自身の中で少し違和感があったことから、自分が実際に3代目としてノリスケを演じるにあたり「見ている人がどう感じるんだろう」と気になったという。前任のノリスケ役である荒川太朗とは友人同士だが、「彼から継承するにしても、何をどう継承するのかわからないし、何だかフワフワして自分でも定まらなかった」ため、最終的に「もう自分でできることをとにかくやるのみ!!」と開き直り演じるようになったと語っている[16]。松本はノリスケについて、それまでに出演したSFのヒーローなどといった役柄と異なる「ごくごく普通に日常を生きているキャラクター」のため「演じていて考えさせられることが多い」といい、「日常を演じていくなかでどうやってそれをエンターテインメントとして見せていくのか?という部分では、『サザエさん』という作品は本当に考えられているし、だからこそ、長い間続いているのだと思います」と語っている[16]。 『ドラえもん』では、2005年からのび助(のび太のパパ)役を担当。同作の場合は『サザエさん』と異なりキャスト総入れ替えだったことから、前任者のことは考えず、ただ”お父さん”という部分を大事に演じていると語っている。後年のインタビューでは「どう演じたって、キャストが変わると違和感をもたれちゃう。だったら自分の側に寄せていこうと。『サザエさん』のときにそういう考え方になっていたし、『ドラえもん』のときにはある程度覚悟を決めてやってましたね」と語っている[16]。 出演太字はメインキャラクター。 テレビアニメ
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