IP電話
![]() IP電話(アイピーでんわ)は、広義では電話網の一部もしくは全てにVoIP技術を利用する電話サービスである[1]。音声のみのものが多いが、動画も利用できるテレビ電話サービスなども可能である。 狭義では、VoIP技術を加入者回線に利用するもののうち電気通信役務として規制されるものをさす。多くの国では、公衆交換電話網と相互接続されるものが該当する。電気通信事業者のIP加入者線を利用した電話番号の割り当てられるもの、インターネットをアクセス回線として利用した電話番号の割り当てられるもの、インターネットを利用した電話番号が割り当てられず発信のみのものに大別される。 中継電話において、多くの場合、中継網でVoIPを活用しているが、一般的にはIP電話だと認知されていない。IP電話とVoIPを区別せずに記述することもある。また、IPセントレックスなど内線電話のVoIP化として利用も増えている。 固定電話との比較固定電話と比較して、以下のような特徴がある。
注意点として、以下の点が挙げられる。
アナログの固定電話は、回線交換機の老朽化やメーカーの撤退などのために維持が困難になっており[要出典]、日本でもNTTがPSTNのNGNへのマイグレーション(移行)を実施しつつあり、携帯電話で欠点を補完しつつ、2025年までにIP電話にすべて切り替わる見込みである。 法的位置付け
2007年現在、各国で法的位置付けが異なる。
また、公衆交換電話網 (PSTN) と同様に基礎的電気通信役務として位置付けるかについても差異がある。 インターネットで国際的に接続している限り、政府による規制は難しい面がある。しかし、一部の発展途上国では、VoIPパケットを国際関門ルーターでブロックしたり、インターネット電話のアカウントの取得を制限していることもある。Skype#その他の国々も参照。 アメリカ合衆国2005年5月19日、アメリカ合衆国連邦通信委員会が公衆交換電話網と相互接続を行うIP電話サービスの提供プロバイダに対して、緊急通報911をダイヤルした場合に地元の緊急対応機関に接続し、所在地情報を緊急オペレーターに提供するように義務付けた。11月28日以降は条件を満たさないIP電話の新規加入の受付を停止することとなった。非対応のサービスを継続して提供する場合は、利用者に緊急通報が不可能であることをわかりやすく説明して同意を得ることとなっている。 法執行機関による通信傍受、障害者の利用を可能とする、消費者保護などの社会的規制、アクセスチャージ・ユニバーサルサービス基金など経済的な分担については、2007年現在引き続き議論が行われている。 カナダカナダでは、公衆交換電話網と相互接続されるものは、電気通信役務として規制される。 ユニバーサルサービス基金の分担もある。 欧州連合欧州連合では、枠組み指令により次の3種類に分けられる。
また、無料で提供される場合は他の電気通信サービスを妨害しないこと、消費者に不利益を与えないための最低限の条件のみを定めることとなっている。 南アフリカ共和国南アフリカ共和国では、公衆交換電話網が整備されていない地域で、部分的な自由化を行う。 大韓民国大韓民国では、2008年から固定電話の番号がそのままIP電話で使用可能になる。 日本→詳細は「日本のIP電話」を参照
日本の電気通信事業法の電気通信役務の届出区分では、インターネットを使用した電話番号の割り当てられないものも含め、電気通信役務として規制される。また、提供サービス・通話品質等を利用者に分かり易く広告などで契約前に提示し、苦情受付を誠実に行うこととなっている。 電気通信役務#日本の電気通信事業法における利用者保護を参照のこと。 ユニバーサルサービス基金の分担もある。 脚注
関連項目
外部リンク
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