Epic Games
Epic Games(エピックゲームズ、英: Epic Games.)は、アメリカ合衆国ノースカロライナ州ケーリーに本社を置くコンピュータゲーム、ソフトウェアの開発及び、販売企業。主にアクションゲームの開発を手がけている。 概要Epic Gamesの前身は、1991年にティム・スウィーニーによってPotomac Computer Systemsとして設立した[4]。設立当初は、メリーランド州ポトマックにある実家を拠点としていた。同年に最初の作品『ZZT』をリリース、1992年初頭にEpic MegaGames, Inc.へと改組し、ビジネスパートナーとしてマーク・レインを招き入れた[4]。1999年に本社をノースカロライナ州ケーリーに移し、社名をEpic Gamesへと簡略化した[5]。 Epic Gamesは、ゲームエンジンの「Unreal Engine」を開発している。このエンジンは『フォートナイト』や『Unreal』『Gears of War』『Infinity Blade』など自社で開発したコンピュータゲームにも採用している。商用利用も可能であり、2014年にはギネス世界記録によって「最も成功したゲームエンジン」に選ばれた[6]。 Epic Games Japan合同会社
同社は子会社として、コンピュータゲーム開発企業であるChair EntertainmentやPsyonix、クラウドベースのソフトウェア開発企業であるCloudgineを所有している。また、ワシントン州シアトルやイングランド、ベルリン、横浜、ソウルにおいてサブスタジオを運営している。スウィーニーが発行済み株式の過半数を所持している。年時点2017年に『フォートナイト』の人気モードがリリースされた後、同社はさらに多くの投資を受け、Unreal Engineの提供の拡大や、『フォートナイト』を中心としたeスポーツイベントの確立、Epic Gamesストアを立ち上げることができた。2020年8月には、同社の評価額が173億米ドルに達した[7][8]。 2024年6月現在、後述のAppleとの係争問題を受けて、iOSでは同社ソフトの配信を行っていない状態が続いている。しかし、同月12日に他の事業者がアプリストアを提供することや他の課金システムを利用することを妨げる行為を禁止する「スマートフォンにおいて利用される特定ソフトウェアに係る競争の促進に関する法律」が第213回国会において、可決・成立したことを受けて、2025年後半に『フォートナイト』並びに『Epic Gamesストア』アプリを再リリースすることを発表した[9]。 テンセントとの関係テンセントはEpic Gamesのサービスモデルをゲームに移行させる目的で、契約の一環として2012年6月に同社の40パーセントの株式を3億3000万ドルで取得した[10]。 テンセントは2020年末より米当局の対米外国投資委員会(CFIUS)と株式の継続保有について交渉していることがロイターにより明らかとなった[11]。CFIUSはEpic Gamesとライアットゲームズのユーザー個人情報取り扱い状況が国家安全保障リスクに当たる場合は、株式の売却を命じる権限を持つとされている。 2020年代に入って以降、ソニーグループによる出資比率が高まっており、2022年6月時点で4.9パーセントを取得している[12]。 歴史
製品・サービスUnreal Engine→詳細は「Unreal Engine」を参照
Unreal Engineは、グラフィカルレンダリングやサウンド処理、物理演算といった機能が用意されており、独自のエンジンをゼロからコーディングする必要がなく、ゲーム開発者のニーズに合わせて幅広く適応できる。このエンジンは、1998年にリリースされたファーストパーソン・シューティングゲーム『Unreal』で初めて実装された。これまでにUnreal Engine 1、Unreal Engine 2(2.5および2.Xを含む)、Unreal Engine 3、Unreal Engine 4がリリースされ、2022年4月にUnreal Engine 5の正式版がリリースされた[22]。 Epic Games Store→詳細は「Epic Games Store」を参照
Epic Games Storeは、Epic Gamesが2018年12月7日に開設したデジタルゲームストア(オンライン配信サービス)[23]。ウェブサイトとゲームのダウンロードとプレイに必要なスタンドアロンのランチャーの両方をローンチ。ストアでは、基本的なカタログや友達リストの管理、マッチメイキングなどの機能を提供している。Epic Gamesはストアの機能をさらに拡張する計画を立てているが、議論フォーラムやユーザーレビューといった他のデジタル配信プラットフォームのように多くの機能を追加する予定はなく、代わりに既存のソーシャルメディアプラットフォームを利用してこれらの機能をサポートしている。 Epic Online ServicesEpic Online Servicesは、『フォートナイト』で使用されたシステムに基づいた無料のSDKであり、マッチメイキングやフレンドリスト、リーダーボード、実績などの機能をMicrosoft Windows、macOS、PlayStation 4、Xbox One、Nintendo Switch 向けのゲームに実装できる[24]。2020年5月、全ての開発者向けに提供を開始した[24]。 Epic Direct PaymentEpic Direct PaymentとはEpic Gamesが提供する独自のiOSとGoogle Play上での支払い方法であり、FortniteおよびEpic GamesストアのPC、Mac、Androidでトランザクションを処理するために使用している支払いシステムと同じである。名前の通り、第三者による支払い仲介を通すことなくEpicに直接支払いを行う仕組みである。それによってFortnite内でEpic Direct Paymentを使用する事により、割引となる[25]。セキュリティー面においては、2017年にPCI-DSSに準拠し2020年7月にはRSI SecurityによるPCI-DSS準拠の監査に不具合なしで合格した[26]。 騒動・問題AppleとGoogleへの訴訟問題→詳細は「Epic Games対Apple訴訟」を参照
2020年8月にEpicはAppleとGoogleに訴訟を起こした。この背景には、Epicがモバイル版『フォートナイト』にApp StoreやGoogle Playが提示している30%の手数料を「反競争的な拘束と独占的慣行を使用している」[27]としてそれらを迂回するための独自の課金システム「Epic Direct Payment」を実装[28]したことが挙げられる。Epicの発表を受けて、AppleとGoogleは『フォートナイト』を規約違反としてApp StoreとGoogle Playから削除した。『フォートナイト』の削除を受けて、Epicは両社に訴訟を起こした。Epic GamesのCEO・Tim Sweeney氏は日本時間の12月12日(火)、グーグルのアプリ市場「Google Play」を独占禁止法(反トラスト法)違反で提訴した裁判にて勝訴したことを報告した。 iPhoneでのポルノアプリの配信2025年2月、外部のアプリストア「AltStore(オルトストア)PAL」がiPhone上で、ポルノ動画を視聴できるアプリ「Hot Tub(ホットタブ)」の配信を始めた。アップルによると、オルトストアはエピックゲームズから支援を受けている。オルトストアのSNSの公式アカウントは「iPhoneが18歳になったので成熟したアプリが使えるようになった。世界初のアップル公認ポルノアプリだ」と投稿した。アップルは「オルトストアやエピックのような利用者の安全への懸念を共有していない運営者がアプリを配信することを、欧州委員会から求められている。我々が10年以上かけて世界一を目指してきたエコシステムに対する消費者の信頼を損なうものだ」と、EUの執行機関である欧州委を批判した[29]。 脚注出典
関連項目
外部リンク
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