大阪マラソン
大阪マラソン(おおさかマラソン、英語: Osaka Marathon)は、大阪府大阪市で開催されている市民参加型のマラソン大会である。2011年10月30日に第1回大会が開催された。フルマラソンのほか、車いすマラソンも実施される[1]。世界各地で開催されるマラソン大会の中でも大規模な国際大会である[2]。 概要![]() 大阪マラソンは都市型大規模市民マラソンで、マラソンの部(42.195km)と720(なにわ)マラソンの部がある。720マラソンは、7.2kmランの部と720mの車いすの部の2部がある。定員は34,000人で、内訳は、マラソン31,970人・ランの部2,000人・車いすの部30人である。参加申し込みは、国内参加者はランネット(https://runnet.jp/runtes/ )を通じて、国外参加者はJTBスポーツステーション(https://jtbsports.jp )を通じて、それぞれインターネットにて受け付けている。主催は、大阪府・大阪市・(公財)大阪陸上競技協会。 大阪府内では複数のマラソン大会が開催されており、その中でも『大阪国際女子マラソン』と『KIX泉州国際マラソン』の2つが有名であるが、いずれも市民ランナーにとって参加しにくい大会であった[注釈 1]。そこで当時の橋下徹大阪府知事は「市民ランナーが気楽に参加できる大会を開きたい」として、市民参加型の大規模なマラソン大会の開催を提唱した[3]。2009年8月には大阪マラソン開催準備委員会が設立され、2011年10月から12月にかけての第1回大会の開催を目指すこととなった。共催新聞社は、公募の結果2010年2月に読売新聞大阪本社に決定した[4]。その後2010年9月10日に発表があり、第1回の開催は2011年10月30日に決定し、大阪マラソン組織委員会も設立された。テーマは「チャリティー」。大阪城、難波、御堂筋、中之島、通天閣といった「なにわの名所」を凝縮したコースである[5]。ランナーはチャリティー参加とグループ枠参加がある。特にグループ枠参加は都市型大規模市民マラソンでは初の試みである。 組織委はワールドマラソンメジャーズの一つである『シカゴマラソン』との提携準備を進めていた。シカゴは大阪市の姉妹都市であり、大阪マラソンに日本国外在住ランナーを多く招待したいという考えがある[2]。2015年現在では両大会は正式な提携関係にあり、シカゴマラソン関係者が大阪の組織委員会会長らへ表敬訪問に訪れるなど、各種の交流が始められている[6]。 2020年は新型コロナウイルス感染症の影響により中止となった[7]。 2022年からは開催時期を2月に変更のうえ、びわ湖毎日マラソンと統合し、「第10回大阪マラソン・第77回びわ湖毎日マラソン統合大会(仮称)」として国際大会の代表選手選考会レースとなることが決定した[8]。なお、びわ湖毎日マラソンは1961年の第16回大会まで大阪市で開催されており(当時の大会名は「全日本毎日マラソン選手権」→「毎日マラソン」。ただし、大阪市中心部がコースになったのは1958年まで)、約60年ぶりに大阪に戻ってきたことになる。第10回大会の正式名称は「第10回大阪マラソン・第77回びわ湖毎日マラソン統合大会 兼 ジャパンマラソンチャンピオンシップシリーズ 兼 オレゴン2022世界陸上競技選手権大会マラソン日本代表選手選考競技会 兼 杭州2022アジア競技大会マラソン日本代表選手選考競技会 兼 マラソングランドチャンピオンシップチャレンジ」である[9]。また、ワールドアスレティックス(世界陸連)からエリートラベルロードレースに認定。しかし、新型コロナウイルスの世界的な流行を鑑み、一般参加者の部を中止し、エリートの部のみの開催となった[10][11]。 大阪国際女子マラソンも引き続き開催されることから大阪市は国内で唯一二つの国際フルマラソン大会、エリートマラソン大会を開催する都市となった。なお、発着点、コースは大阪国際女子マラソンとは異なる。 関連団体
参加枠
チャリティー出場者全員が1口500円(最低2口)を募金する独自の仕組みを採用している。他国のマラソン大会でもチャリティーを兼ねる大会は多いが、全員が参加するケースは都市型大規模市民マラソンでは初めてである[2]。寄付先は、応募時に「医療」「環境」などをテーマにした7分野(2013年まではそれに加え復興(虹色))から希望分野を3つまで選択することができ、当選時に通知される。寄付金の透明性を確保するため、運営会計とチャリティー事業会計は区分される。 2015年より、7色それぞれをチームに見立て、フルマラソンの平均タイムが最も良い色の参加者のうち抽選500人に、次回大会の出場権が与えられる「なないろチーム対抗戦」が実施される。
コース2024年の新コースは折り返しとアップダウンが減り、走りやすいコースとなった[13]。 2024年大会以降大阪府庁前→ 上町筋 →京阪東口交差点→ 土佐堀通 →片町交差点→ 市道赤川天王寺線 →東野田町交差点→ 曽根崎通 →東天満交差点→ 天満橋筋 →樋之口町交差点→ 都島通 →天神橋6交差点→ 天神橋筋 →天神橋交差点→ 土佐堀通 →淀屋橋交差点→ 御堂筋 →大阪市役所前(チャレンジランフィニッシュ)→大江橋南詰交差点→ 中之島通 →渡辺橋南詰交差点→ 四つ橋筋 →肥後橋交差点→ 土佐堀通 →淀屋橋交差点→ 御堂筋 →難波交差点→ 千日前通 →大正橋交差点→ 府道173号 →京セラドーム大阪→伯楽橋西詰交差点→本田1交差点→ みなと通 →市岡元町3交差点(第1折り返し)→ みなと通 →本田1交差点→伯楽橋西詰交差点→ 府道173号 →大正橋交差点→ 千日前通 →幸町1交差点→ なにわ筋 →柳通交差点(第2折り返し)→ なにわ筋 →幸町1交差点→ 千日前通 →下寺町交差点→ 松屋町筋 →公園北口交差点(第3折り返し)→ 松屋町筋 →下味町交差点→ 千日前通 →上本町6交差点→ 上町筋 →五條宮前交差点→ 勝山通 →大池橋交差点→ 今里筋 →鴫野東2交差点→ 城見通 →城見1西交差点→大阪城公園 2019年-2023年大会大阪府庁前→ 上町筋 →京阪東口交差点→ 土佐堀通 →片町交差点→ 市道赤川天王寺線 →東野田町交差点→ 曽根崎通 →南森町交差点→ 天神橋筋 →天神橋交差点→ 土佐堀通 →淀屋橋交差点→ 御堂筋 →大阪市役所前→大江橋南詰交差点→ 中之島通 →渡辺橋南詰交差点→ 四つ橋筋 →肥後橋交差点→ 土佐堀通 →淀屋橋交差点→ 御堂筋 →難波交差点→ 千日前通 →大正橋交差点→ 府道173号 →京セラドーム大阪→伯楽橋西詰交差点(第1折り返し)→ みなと通 →市岡元町3交差点(第2折り返し)→幸町1交差点→ なにわ筋 →岸里交差点(第3折り返し)→ 千日前通 →下寺町交差点→ 松屋町筋 →公園北口交差点(第4折り返し)→ 千日前通 →下味原交差点→ 玉造筋 →勝山4交差点→ 勝山通 →五條宮前交差点→ 上町筋 →北河堀交差点(第5折り返し)→ 勝山通 →大池橋交差点→ 今里筋 →鴫野東2交差点→ 城見通 →城見1西交差点→大阪城公園 2018年大会以前スタート地点は大阪府庁と大阪城公園(大阪市中央区)の間の公道である。御堂筋や道頓堀、中之島、通天閣などの大阪の名所や旧跡を通過点とし、フィニッシュはベイエリアのインテックス大阪(住之江区)。 増田明美によると全体的にフラットなコースであるため初心者にも自己ベストを目指す人にも走りやすいコースであるとしている[2]。高低差がある部分は上町台地にある大阪城公園から森ノ宮駅までの下り坂、5km地点手前の鶴橋交差点付近から難波までの最大25mのアップダウン、37km地点の南港大橋がある[14]。 大阪城公園前(府庁前交差点)→ 上町筋 →馬場町交差点→ 本町通 →城南交差点→ 中央大通 →森ノ宮駅前交差点→ 玉造筋 →鶴橋駅前(下味原交差点)→ 千日前通 →難波交差点→ 御堂筋 →淀屋橋交差点→ 土佐堀通 →片町交差点(第1折返し)→北浜1交差点→ 堺筋 →難波橋→ 中之島通 →中央公会堂→大阪市役所前(チャレンジランフィニッシュ)→大江橋南詰交差点→ 御堂筋 →難波交差点→ 千日前通 →大正橋交差点→ 府道173号 →京セラドーム大阪→千代崎橋西詰交差点(第2折返し)→大正橋交差点→ 千日前通 →難波交差点→ 御堂筋 →大国交差点→ 国道25号 →通天閣前(恵美須交差点。第3折返し)→塩草2交差点→ なにわ筋 →長橋交差点→ 国道26号 →玉出交差点→ 南港通 →北加賀屋交差点→ 新なにわ筋 →住之江公園前交差点→ 住之江通 →南港大橋(全区間において最大角度を誇る急坂)→インテックス大阪
ギャラリー優勝者-数字- は優勝回数、 は(当時の)大会記録。
テーマソング2014年の第4回大会で、大阪で結成された人気デュオ「コブクロ」が制作することが発表された[15]。テーマソングのタイトルは「42.195km」(作詞・作曲:小渕健太郎 編曲:コブクロ)。コブクロとしては初めて関西弁の歌詞となっており、「参加するランナーの方の練習期間に気軽に聴いていただきたい」という小渕の考えで2014年10月1日から10日までの10日間限定でのフリーダウンロードが行われていた。また10月1日から10月25日までの間には大阪市営地下鉄全線、全駅の駅構内と列車内放送で小渕のコメントと共にこの曲が流されていた。大阪市営地下鉄の列車内で音楽が流れるのは、開業以来初めてであった。その後2015年大会でも前年同様に車内で小渕のコメントと共にテーマソングが流れた。 なお、2019年からのコース変更に伴い、2代目のテーマソングとして「大阪SOUL」が制作され、前楽曲「42.195km」と同様に、本楽曲もリリース前には2か月間にわたってフリーダウンロードが行われた[16]。 テレビ・ラジオ中継2019年までは、大会の後援社である毎日放送と読売テレビが午前と午後に分担し関西ローカルで放送が行われた[注釈 2][注釈 3]。また、大会の特別協賛社であるケイ・オプティコム(現:オプテージ)が運営するeo光テレビのコミュニティチャンネルにおいて7時間半の生中継が行われた[17]。 代表選考レースを兼ねることになる2022年大会は、毎日放送と読売テレビに加えてNHKでもテレビ・ラジオ中継を行うことが決まっていたが、市民マラソンの部の中止を受けてNHKのみで中継された[18][注釈 4]。2023年大会以降は、代表選考を兼ねた午前帯をNHKが全国放送で、市民マラソンが中心の午後帯を読売テレビ→毎日放送による関西ローカルでのリレー中継の形態となっている[19][20]。 脚注注釈
出典
関連項目
外部リンク
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